初めて野外フェスでテント泊を試みた時、テントや衣類を中くらいのリュックサックと手持ちのボストンバッグにパンパンに詰め込んで参加しました。登山用ザックやアウトドア用キャリーカートで颯爽と移動する人々を横目に、はち切れそうな程膨らんで重たいリュックとバッグを肩に食い込ませ、息を切らす我々。この時、次に野外フェスに来る時は登山用ザックで来ようと強く心に決めました。
今回はそんな決意を元に、登山ザックを購入するまでの話や、選ぶ際のポイントをまとめました。
野外フェスでの荷物を運ぶ手段
まず、野外フェスで他の人がどんな方法で荷物を運んでいるのか見ていきたいと思います。
タウンユースでも使えるリュックサック
普段の外出や通勤通学でも使えそうなリュックサック。日帰りの方は、このような少し大きめのリュックサックで事足りそうです。
登山用ザック
キャンプサイトには40L以上ありそうな登山用ザックを持っている人も多くいました。寝袋マットをくくりつけたり、サイドのポケットにアウトドアチェアを入れていたり、便利で機動力が高い印象。
キャリーワゴン
車輪とワゴンを引く取っ手のついたカートのようなアウトドアグッズ。キャンプ用品や食材などを積んで荷物を運ぶことができます。車で来る人は、トランクから荷物を移した後はワゴンを引くだけ。お子さんをワゴンに乗せて移動している方もいて、とても楽しそうでした!
段ボール
中には食材等を段ボールに入れて運んでいる方も。複数人でのキャンプや、キャリーワゴンと併用している方が多いようです。
スーツケース
稀にスーツケースを引いて参加されている方も。道が整っていないキャンプサイトや雨の日は大変そうでした。。
様々な運搬手段の中から登山用ザックを選んだ理由
上記のようにいくつかの方法がありますが、
・交通手段が車ではなく電車やバスのため、キャリーワゴンや段ボールでの移動は難しい
・ARABAKI等かさばる防寒具が必要なフェスでの使用も予定しており、ある程度容量の大きなものが欲しい
・体力に自信がないため、体への負担が少ない方法で運びたい
といった理由から、登山用ザックを購入することに決めました。
ザックの用途を整理する
登山用ザックの購入を決めたところで、改めてザックの用途と必要なザックのスペックを整理していきたいと思います。
誰(どんな)人が使うか
使う人によって求めるスペックは様々まずは、どんな人が使うかを確認します。
今回は、下記をと特徴として考えました。
・体力に自信がない
・女性
ここからザックに必要な機能はを考えました。
リットル数の目安
登山用ザックの購入を検討する中で出会った「〇〇L(リットル)」という言葉。これはザックの容量を表します。目安はざっくりこんな感じ。登山用のコンパクトなテントではなく、量販店等で売っている比較的安価で大きなテントの場合は大きめのザックか、サイズによっては手で運ぶことも視野に入れましょう。
テントやテントマットはモンベルでコンパクトなものを使っていたので、50L以上で背負いやすいものを探すことにしました。
20~30L:日帰り登山や通勤・通学等デイユースにも
30~50L:山小屋宿泊
50L~:テント泊
背面長を測ろう
リットル数の他に、ザック選びの基準になるのが「背面長」。自分の背面長に合ったサイズのザックを選びます。
背面長の測り方
胴の長さって座高かな?と思いきや、懐かしい座高測定とは違う測り方をします。
「第七頸椎骨(首を少し前に傾けた状態で、首の後ろの一番出っ張る骨)」 から
「腰骨の一番出っ張っている場所から水平に背中の中心へ動かした部分」 までを測定。
背面長別サイズ
メーカーによってサイズは異なりますが、参考にグレゴリーの場合のサイズを見てみましょう。購入したいメーカーが絞られてきたら、メーカーのサイズ区分をチェックしてくださいね。
サイズ | 背面長 |
XS | 36~41 cm |
S | 41~46 cm |
M | 46~51 cm |
L | 51~56 cm |
実物を見るためにアウトドアショップへ
事前にザックに必要なスペックを決めてから、アウトドアショップへ。体に合うものを選ぶために実際に背負って、ザックのフィッティングをさせてもらいました。
ブランドやモデルによって、実際に背負ってみると自分の体に合うもの、合わないものが出てきます。
ザックを選ぶ時に気を付けたポイント
背面長サイズが自分に合っているか?
背中のサイズに合ったものを選びます。大きいものを背負うとザックと背中に隙間ができて、違和感を感じました。
ショルダーストラップが肩の骨にあたって痛くないか
ショルダーベルトの位置や太さのによっては、肩の骨にベルトが当たってしまい、痛みを感じることも。背負った時に違和感の無いものを選びましょう。
ヒップベルトの位置が体に合うか
骨盤を包み込むように締めるヒップベルト。骨盤より上過ぎたり下過ぎたりすると、ザックが重たく感じました。登山用ザックは腰で重さを支えるため、重要なポイントの一つです。
購入したザックはOSPREY
色々試した結果、OSPREY エーリエル55を購入しました。
下調べの段階では、「ザック界のロールスロイス」と謳われるグレゴリーが気になっていたのですが、一番体にフィットしたこと、ザックの色味が気に入ったことから、オスプレーに決定。ちょうどモデルの入れ替え時期で、定価よりも安く購入することができました。
実際に使ってみた感想
実際に野外フェスで使ったのは、ARABAKIでした。ARABAKIは春先の開催ではあるものの、開催地東北の夜は寒い。ということで、かさばりがちな防寒具も詰め込み夏フェスよりも荷物の量は多め。パッキングしていくと手で持ち上げるには苦労するような重量になってしまったのですが、背負ってみると予想以上に軽く感じる!ザックが腰で重量を支える設計になっているので、手で持ち上げるよりも何倍も楽に運ぶことができて、移動時の体力温存に一役買ってくれる、手放すことができない野外フェスのアイテムになりました!